信仰―法話コーナー

法話

いつまでも―今を生きる―【2017年3月の法話】

先日、ふと夕方の情報番組を見ておりましたら、「健康寿命」という話題を採り上げていました。昨今、誰しもが最期に「人に迷惑をかけたくない」「人の世話になりたくない」と言いますし、「ピンピンころり」という言葉も良く耳にします。「健康寿命」という言葉も、そうした風潮のなかで言われるようになったのかと思います。「寿命」というと一般的には、何歳まで生きられるかという「平均寿命」を指しますが、「健康寿命」とは、健康上の問題がなく日常生活を送ることのできる期間を言うそうです。

その番組では、ある男性が紹介されていました。数年前に奥様を病気で亡くされたというその男性は、九十歳を過ぎてもなお、毎週のように社交ダンスに、カラオケに、ボーリングにと他人と関わる様々な活動に参加し、スマートフォンをも使いこなすという、活き活きとした生活をしていました。

年齢を重ねてのち、誰もがこの男性のようにここまで活発に生きていけるというわけではありませんが、番組のなかで、「健康寿命」を長く保つには「人とのつながり」を持つことが大切だと言っていました。確かに、人とのつながりがなく、「寂しい、寂しい」と自身を孤独だと思ってしまうと、気持ちもどんどん下方に陥ってしまいます。「病は気から」とも言うように、心が下向きになってしまう、すなわち気力を失ってしまうと、体調もやはり下向きに、優れないものになってしまうでしょう。すべてが心の持ちようひとつで変わるわけではありませんが、少なくとも気持ちが下向きで過ごしていて、明るい良いできことが起こることはないでしょう。例え明るい良いご縁に逢えたとしても、それを受けとめることができないはずです。

「人とのつながり」を大切にすることとは、「ご縁」を大切にすること。仏教では「一期一会」と説きますが、それはその時の出会い一つ一つを大切にすることであり、またその時を大切にするということは、その時(今)を精一杯生きることではないでしょうか。先の九十代の男性は、社交ダンス、カラオケ云々にと、まさにその時々に「今を生きて」いるのだと思います。それは、たまたま九十代だから特別に感じてしまいますが、年齢に関わらず、心身の健康のために誰もが「今を生きる」ことが大切なのではないでしょうか。

いつまでも健康でいたい、というのは万人の願いです。人とのつながりのなかで今を生きること、それが第一歩になるのではないでしょうか。

合掌

(日高 誠道)

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