信仰―法話コーナー

法話

過去・現在、そして未来へ【2016年3月の法話】

この月刊の新聞「霊峰」でも度々ご紹介をしておりますが、当山では広島平和公園に世界各地より捧げられた折り鶴をお焚き上げする「折り鶴供養」を毎月執行しております。その都度、ご参拝の皆様にも、お炊き上げにご参加・ご協力いただき、平和への想いを共にしていただいております。日々の生活のなかで、戦争や平和について考えることは少ないかもしれませんが、「折り鶴供養」をきっかけに、少しでも想いを致していただく機会になればと思います。

昨年・平成二十七年は、先の大戦が終結して七十年という節目の年でありました。節目だからという訳ではありませんが、「戦後七十年」という言葉に象徴されるように、例年よりも先の大戦に関する事柄を見聞きする機会も多かったように思います。殊には、天皇皇后両陛下のパラオご訪問、多くの将兵が散華されたペリリュー島で日米双方の戦死者に対して慰霊の祈りを捧げられるお姿は大変印象的で、胸を打たれる想いが致しました。

言わずもがな、我が国は世界唯一の被爆国であり、私たち特に広島に縁のある者としては、戦争・核といった脅威に対して、強い想いを持たざるをえないのではないでしょうか。しかし一方で、当然のことながら、私たちは戦争を知らない世代でありますし、また私の場合は両親も戦後生まれ、やはり戦争を知らない世代です。私が幼少の頃、昭和一桁生まれの祖父母はよく戦時の話をしてくれました。今、私たちが「当たり前」のように清潔な衣服をまとえること、白い温かいご飯を食べられること、温かい家で生活ができること、当たり前のような衣食住、そのいずれもが「有り難い」ことなのだと改めて感じます。

先の大戦に限らず何事においても、ただ歴史を学ぶのではなく、歴史を知り、そこに多くの先人の働きがあったこと、そして今こうして平和で豊かな暮らしを享受できること、その何事にも感謝をしなければなりません。折り鶴の供養にも、そうして鎮魂と感謝の気持ちを込めてまいりたいと思います。

最後に誠に畏れ多くも、昨年お誕生日に際しての天皇陛下の会見でのお言葉を引用させていただきたいと思います。「戦争を知らない世代が増加していきますが、先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切なことと思います。」

合掌

(日高 誠道)

◆◆◆法話のバックナンバーはこちら◆◆◆


戻る

NMJNet Market Japan Corp.