信仰―法話コーナー

法話

「お手本」【2015年10月の法話】

観光地として、日々知名度を増しているこの宮島。様々なメディアに取り上げられるようになり、この数年でこれまで以上に多くの方に来ていただけるようになりました。
 また、年々、外国人の方も増えてきております。
 人が多くなればそれだけいろいろな方々が御参りにも来られます。
 老若男女、謙虚な方もそうでない方も本当に様々です。
 そういった方々に、よく御参りの作法について質問されますが、たとえば大聖院では、「ここはこうですが、あそこは違います」といった場所もあり、難しいのかもしれません。

土足厳禁な場所、そうでない場所があることや、仏さんをお祀りしているお堂と鎮守さん(神様)をお祀りしているお堂では合掌のみや、二礼二拍手一礼といった違いがあり、日本の方も他の方につられて間違えている方も多く見受けられます。
 海外の方、日本人でも若い方は日本の文化に疎いこともあり、生じることなのですが、日本人でもお年を召された方がその例外になっているのかと聞かれればそういうわけでもありません。

前の方がしている作法を見ると、つい右に習えで真似してしまうのが我々日本人というものですから仕方ないのかもしれませんが、そう片付けていいものでもありません。
 最近では鐘つきが例に上がります。大聖院には鐘楼堂(鐘つき堂)がありますが、御参りの前に仏さんにお参りに来ましたよ。とお知らせする為に、お参りする前に一人につき一打つきます。また、お寺の鐘には時を知らせる意味もありますので、帰りに鐘をついたり、一人で二打も三打もついてはいけません。

そうと知っている方でも、前の方が帰りに打たれたり、二打三打しているのを見ると、「あぁ、それでもいいのか」と右に習えしてしまう事もあります。
 自分では正しいと思っていても、その思いが中途半端だと、「あれ、どうだったかな」と正しい何かがわからなくなってしまうものです。自分が間違っていることもありますし、余裕があればどなたかに聞けば済む話ですが、急ぎでしたらついついとりあえず前に習えにしてしまいます。

ケースバイケースではありますが、自分に自信を持つということはこういう時にこそ大事にするべき行いです。

文化の違い、世代の違いと一言に片付けてしまうのではなく、今一度自分の自信を取り戻すため、当たり前だと思っていたことを振り返ることが必要でしょう。

そうして、次の方の見本になる。決して傲慢な心にならず、謙虚な心で、一つお手本になってみてはいかがでしょうか。

合掌

(西園航大)

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