信仰―法話コーナー

法話

感謝をさがして【2014年6月の法話】

皐月(さつき)も過ぎ、真夏に向かうまで過ごしやすい日が続きます。といっても五月の時点で既にあれだけの暑さでしたから、今後を考えると少し恐ろしいような気もしますが、ともあれ、やはり今時分は過ごしやすい季節であります。

暖かさと涼しさの両方が心地よく味わえるこの季節はやはりいいものです。暑さ、寒さというのはやはり恒温動物の我々にとっては行き過ぎると堪えるものがあります。

しかし季節には真夏や真冬であっても、それぞれの【色】と申しましょうか、その季節にしか味わえない貴重な顔を持っています。

風物詩、という言葉もありますが、昨今の異常気象や環境変化で「この季節にはこれ」といった風物詩が味わえなくなってきています。諸行無常とは言いますが、やはり変化というのは一抹の寂しさを感じるものです。変わらずにいてくれた方が安心できる。そんなことを感じる時もある程です。

人間、惜しいと思えば思うほど手放したくなくなる欲深い生き物です。そういった一面が所謂「執着」なわけですが、「執着している」ということは、同時に執着している対象を「ありがたい」と感じているということもできるのではないでしょうか。

例えば3月の終わりから4月にかけての全国的な風物詩、桜のお花見もそうです。皆さんお花見シーズンが近づくと満開の時期までをさぞ心待ちにすることでしょう。そうして毎年時期をずらすことに不安になっているところにやってくる満開の時、桜を見た町の人々の「今年も綺麗に咲いてくれたね」という言葉を耳にすることがあります。このときその人は、桜の花を待ち望んでいる間は執着をしているわけですが、満開を迎えた桜には感謝している、心の中で「ありがとう」といっているのです。

「日々感謝をして生きなさいと言われても、わかっているけど心から実践するのが中々難しい」などという声もよく耳にしますが、実は既に皆様感謝をしながら毎日を生きているはずです。代わり映えのしない毎日、特にすることがない日であっても、どこかで何かに感謝をしているはずです。そういった自らの「感謝」に注意深く目を向けると、それだけでも今まで過ごしてきた日々が意義あるものになり、これから迎える日々が楽しくなります。

もうすぐあの暑い夏を迎えます。それまでに、「ありがたい」と感じやすい、過ごしやすいこの季節に、たくさんの「感謝」を見つけてみてください。自然に環境に人に、対象となるものは山ほどあるはずです。そうして夏になれば夏のいいところをたくさんみつけて、またたくさんの「感謝」を見つけてみて下さい。

色んな「ありがとう」がそこらじゅうに転がっていると考えれば、よりたくさんの「ありがとう」につながります。そうして感謝を絶やさない日々を送りたいものです。

合掌

(西園航大)

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