信仰―法話コーナー

法話

笑顔に触れて【2014年3月の法話】

昨年末のことになりますが、ふとある飲食店に入った時のことです。そのお店はしばしば広島のローカル雑誌にも紹介されているお店で、お昼時分は随分混雑していました。しかし、店員さんたちはとても明るく元気良く、気持ちの良い笑顔で接してくださいました。ふと壁を見上げると、お店を訪れた著名人の方々の多くの色紙。そのなかの一つに、「笑顔に勝る化粧なし」という言葉があり、私の目に留まりました。きっとこの色紙を書かれた方も、食事の味もさることながら、店員さんの気持ちの良い接客態度に心打たれたのではなかろうかと思います。そうした点、私は反省の繰り返しばかりですが…。

それからお店を出た後、暫くそのような反省を踏まえつつ車を走らせておりました。ふと道を走っていると、信号機のない横断歩道の脇に小さな男の子が二人。そのうちの一人は一年生でしょうか、ランドセルに黄色いカバーをつけていました。その道は田舎道ながらも、車は結構なスピードを出して途切れることなく走っています。幸いにも私の後には後続車もなかったので、横断歩道手前で車を止めました。対向車は数台続き、二・三台は過ぎ去ってしまいましたが、その後の一台の車が止まってくれました。漸く子どもたちは手を挙げて、にっこりと笑みを浮かべつつ、ちょこんと頭を下げながら、横断歩道を無事に渡ってゆきました。その子どもたちが渡り行く姿を、私も思わず笑みを浮かべながら眺めていましたが、ふと車を止めた対向車のドライバーさんの方を見ると、彼もまた笑みを浮かべながら、道路を渡り行く子供たちの姿を眺めていました。

こうした経験を通じて私が感じたことは、まさに“人を笑顔にすることができるのは人の笑顔”ということです。一方で、人を不快な気持ちにさせてしまうのもまた人の表情ひとつというのも事実ですが・・・。どんなに忙しい時間帯であっても気持ちの良い笑顔と態度で接してくれた飲食店の店員さん、また無垢な笑顔を見せながら頭を下げながら道路を渡っていった子どもたち。笑顔の意味はそれぞれかもしれませんが、いずれにせよ他人に笑顔を見せることができる、笑顔で接することができるというのは、その人自身が何か嬉しい、また幸せであると感じることのできる「心の豊かさ」を持っているからこそだと思います。

もしも嫌なことがあった時、浮かない顔をしていると、心と共に事態もどんどんマイナスの方向に向かってしまうのではないでしょうか。しかし、心豊かであれば何があろうとも、そのような苦難も笑顔で笑い飛ばし、そして物事を好転させてゆけるはずです。気持ちの持ち方ひとつで物事の見え方も変わってくるはずです。

“笑う門には福来る”とよく言いますが、心豊かに笑顔で、そして何よりも感謝の気持ちを忘れずにいれば、自分だけでなく、周囲の人をも幸せな気持ちにすることができる。そのような笑顔の意味と大切さを改めて今回は教えていただきました。

合掌

(日高 誠道)

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