信仰―法話コーナー

法話

打ち砕く【2013年8月の法話】

常日頃から、喜びに満ち溢れ一日を過ごせるほど幸せな事はありません。個人個人に悩みもあれば行き詰まる事もあり、苦難の方が多いという方も少なくないはずです。皆さんそれぞれの思いでお寺へお参りし、仏菩薩へ日々「生きる」という修行に感謝をされたり、時にはお願いし、少しでも良き方向へ導いて下さるように手を合わされます。

私の好きな言葉に【苦難にあってはこれを知恵の試練と受け止め】という言葉があります。テレビを見ていても「陰の努力」というフレーズをよく目にします。世の人も、進んで苦労ばかりしたいという方は少ないでしょうし、皆さんできれば苦労なく生きていきたいという思いがあるのではないでしょうか。仏教でいう「知恵」というのは、単に勉学ができるようになるということではなく、その場その場で仏さんと同じ様に振る舞うということではないかと思います。苦難は、仏菩薩の慈悲心を学ぶ為人それぞれにあたえられた試練ではないでしょうか。

水が腐らないためには、常に流れていなければならず、停滞すると清水でも腐敗します。同じく私達も少しでも進歩を求めていれば、思うようにことが進まなくても腐る暇がありません。愚痴をこぼして腐る人は先へ進もうとせず停滞してしまいます。例えば宮島彌山から流れ出る山水も大川になり、海に流れ出るまでにさまざまな障害につきあたります。彌山の峰々の木の根や大きな岩にぶつかりながら流れていきます。なんでもないようなことですが、水は高い岩壁にぶつかるとそこで力を貯えます。現在ダムや堤防工事で最も注意するのは、底辺や岩壁に水が当たる時に及ぼす水圧だそうです。なんでも水圧が高まると堅固なコンクリートの壁も打ち砕かれるそうです。苦難にあえばなぜ自分だけがと思うこともあるでしょうし、今にも心折れてしまいそうなこともあると思います。その時こそ力を貯えるチャンスと思い、苦しければ仏菩薩へ手を合わせ、祈願し円満に事を乗り超えられるようにお知恵を頂きましょう。

「雨降って地固まる」というように試練ばかりではなく、楽しみもあります。必ず何かを成し遂げた後には褒美があるはずです。梅雨が明けて夏が来るように、希望を持って楽しく生活するため、強い意志で弱い自分を打ち砕きたいものです。

合掌

(白井祥雲)

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