信仰―法話コーナー

法話

三鬼さんの月参り【2013年5月の法話】

周知の通り、三鬼大権現さまには「月参り」という風習があります。そのことについて、以前お参りに来られた方から、なぜ「月参り」をするのかと問われた事があります。この問い対する明確な答えはないだろうと思いますが、一つの答えとして、神仏にはそれぞれ、その日お参りすると良い・功徳が多いとされるご縁日・功徳日というものがあるからで、三鬼大権現さまに関して言えば、それが毎月一日と十五日となっています。しかし恐らく、毎月欠かさずお参りされる方々は、単にその日お参りすると良いからとか功徳が多いからとかといってお参りされているわけではないのではないかと思います。

勿論、なかには特別に何か願掛けをしてご縁日にお参りされるという方もいるでしょう。しかし、多くの方は「今月もお参りせずにはいられない」という気持ちから来られるのではないでしょうか。それは、ただただ「今月も無事で過ごせるように」という純粋な願い、そしてもうひとつ忘れてはならないのが、「先月も無事に過ごせた、有難い」という報恩感謝の思い、この二つの思いを持ってお参りされるのではないかと思います。先の問いに対しても、私は「ご本尊様に対する感謝の気持ちを忘れないために、毎月お参りするのではないでしょうか」とお答えした次第です。

よく巷では「困ったときの神頼み」といいますが、これは常日頃から神仏を信仰し、神仏に対して(言うまでもなく人に対しても)感謝の気持ちをもっているからこそいえることで、日常さらさら信仰も感謝の気持ちもない人が困ったときになって漸く手を合わせても何の功も奏しません。信仰というと、何か熱心に信奉するものがあるかのように思われるかもしれませんが、日本では八百万の神というごとく、自然に対する畏敬の念、生活に根差したもの(例えば食べること)に対する感謝の心、こういったものを持つことです。お月参りをする方は、こうした神仏に対する感謝の気持ちをお持ちなのだと思います。

また、毎月お参りを重ねるということについて申しますと、お参りは一度すれば良いというものではなく、やはり回数を重ねることで功徳も増すものです。以前テレビで見た話ですが、何度も巡礼を重ねるお遍路さんについて、四国八十八ヶ所霊場のあるご住職さんは、「お遍路さんは同じところを廻っているように見えるが、その心は螺旋を描くように向上しているのだ」というお話をされていました。これはお月参りも同じです。回数を重ねることで、神仏とのご縁も深まり、そしてその心も向上していくのです。

お参りするのには、それぞれの事情や都合もあるかと思います。毎月お参りするのは容易ではないという方もいらっしゃいます。そうであれば、毎月でなくとも年に数回、もし都合が許せば月に数回でも、お参りするからにはしっかりとご本尊様とご縁を結んでいただき、日々神仏に対する感謝の気持ちを忘れずにお過ごしいただき、またお参りをしていただければと思います。

合掌

(日高誠道)

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