信仰―法話コーナー

法話

言の葉【2013年3月の法話】

私が昔読んだ本に人生をミツバチに例えたものがありました。ミツバチは花を傷つけることなく蜜をとっていきます。花を枯れさせることなく、多くも少なくもなく上手に蜜を取るのです。そして更にミツバチは花の受粉も手伝います。それがまた、次の年も花を咲かせるという自然界の循環を生んでいます。その美しく咲いた花を私たちは見させていただいているのです。不思議なもので、美しく咲いた花を見ていると心も穏やかになります。

私たちが毎日使っている言葉をミツバチに置き換えてみましょう。普段何気なく当たり前のように使っているものですが、誰かに喜怒哀楽といった様々な感情という花を咲かせてしまうのが言葉です。もちろん言葉だけではなく、態度もそうですね。

古来より「言の葉」と言われるように、自然界同様不思議な循環があるのでしょうか。私たちはついつい愚痴や悪口といったネガティブな言葉を口にしてしまいがちです。十善戒の中にも「不悪口」とあります。また弘法大師空海も「いうことなかれ人の短、説くことなかれ己の長」という言葉を大事にしていたといいます。まず悪い言葉を発しないことが大切ですが、それに同調しないことも大切です。もしもミツバチが、蜜さえとれればいいとばかりに花を傷つけ花を枯れさせたならば、二度と花は咲かず蜜もとれなくなるでしょう。私たちも相手をだし抜き、相手の居場所を奪うようなことをすれば、必ずその因果は自分自身に返ってくるものです。これを「因果応報」といいます。花を傷つけるという行為で損をするのは自分なのです。どんな人にも「良いところ」があるように、どんな状況でも「良い言葉」はあります。前向きで温かいポジティブな言葉を探して生きていきましょう。辛く悲しいことや悪い言葉に同調してしまいがちなのが人間の性だからこそ、明るい言葉に意識を向ける必要があるのではないでしょうか。幸せを感じる言葉、感謝の言葉、労(いたわ)る言葉を拾い集め、ミツバチを見習い美しい花を咲かせましょう。

合掌

(三松 庸裕)

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