信仰―法話コーナー


法話

起 心【2011年5月の法話】

「全ての事は心から起こる」という言葉があります。どういう事かと言うと、世の中の人為的な物はそれらを作った人達の「これがあったら良いな」「これがあったら便利だな」という想いの元に産まれているという事、そして人間の行動も、自分が「ここに行きたい」「これがしたい」という想いから始まっています。この事から「心から起こる」という事が言えると思います。
 さらにこの事から、人は心の生き物と言ってよいと思います。十人十色の通り十人居ればそこには十の心があります。一つの出来事が起こった場合でも、十種類の物の見方、捉え方、感じ方が在ります。
 そしてやはりそれは心から産まれているわけです。
 例えば厳島神社大鳥居を見たとしましょう。
 私は今宮島に住んでいるのでほぼ毎日大鳥居を眺めてその美しさに心を打たれています。
 大鳥居横を歩く際には外国の方々がその姿を見て「美しい、ビューティフルだ」と感激している姿もよく見かけます。
 さて、この私の美しいと思う思い方と外国人の方の思い方、そして他の観光客の思い方。同じ「美しい」でもそれはみな別々だと思います。
 外国人観光客にはただ「水の上に立つ造形物が美しい」だけなのかもしれません。ですが日本人なら昔から伝えられて来た文化や歴史、神の島のシンボルとしてのイメージや思いが在るはずです。でもその思いもそれぞれ違います。その人がどういう生活を送ってきたか、世代、産まれた土地の風習などによってその捉え方は少しずつ異なります。
 つまり私達は大鳥居をただ単に目で見ているのではなく、自分の心を通して見ているのです。
 これは生きる上での全ての事に通じます。
 私達が見ている全てのものは私達の心のフィルターを通して見えています。ですから心が濁ってしまうと世の中の見える物全てが濁って見えてしまいます。
 そうなってしまうと本来喜ぶべき素晴らしい事すらそう思えなくなってしまい、大切な友人の成功すら憎く思ってしまうのです。
 今のこの世の中を生きる上で、「濁らない事」は非常に難しいと思います。ですがそうならないように努力する事は出来ます。
 正しい心、正しい行動、正しい言葉使いを実践し心と身体と口を清めていく事によってそれが精進となり私達の心の濁りを澄ましてくれる事でしょう。
 皆様が日々精進を実践されるよう心よりお祈り申し上げます。
合掌

(虻川義照)

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