信仰―法話コーナー


法話

正しい言葉【2011年3月の法話】

「眞言は不思議なり
 観誦すれば無明を除く
 一字に千理を含み
 即身に法如を證す」
 これはお大師さまが、真言の不思議、奥深さ、素晴らしさについておっしゃられた言葉です。真言とは簡単にいえば、真実の言葉です。真実の言葉というものは本当に不思議なものであるとお大師さまは言われました。
 真言といえば「オン アラタンナウ ウン ソワカ」という三鬼権現さんのご真言があります。その他、お不動さんのご真言、お薬師さんのご真言と色々あります。これらはその仏さまを表し、その仏さまそのものでもあります。お大師さまのいうまさに不思議な真実の言葉です。しかし、真実の言葉というものは仏さまのご真言だけでしょうか。私たちが普段用いる言葉も本当はお大師さまのいう真実の言葉なのかもしれません。
 朝、「おはよう」と挨拶をしたとき、またされたとき、すごく気持ちのいいものです。また「ありがとう」と言われたときも同じです。かえって、嫌な事を言われたら気分を害します。このように言葉には不思議な作用があります。この不思議な力は良い作用ならいいのですが、人の心を傷つけたりする悪い作用は良くありません。しかし、悪い方にもはたらくのは事実です。という事は、やはり私たちの使う言葉もやはり真言なのだと思います。口に出すと何らかのかたちになってしまいます。日本にも古くから「言霊」という考え方があるように、本当に言葉には魂が宿ったかのように不思議と働きかけます。だから私たちは言葉に気をつけなければなりません。
 お釈迦さまの教えに「八正道」というものがあります。このなかに「正語」というものがあります。読んで字の如く、正しい語をいいなさいということです。「蘇悉地羯羅経」にも「常に實語を用いなさい」とでてきます。やはり私たちは言葉を慎み、正しい言葉というものを心懸けねばなりません。
 この正しい言葉はまさに真言であります。仏さまや、神さまの前だけで真言というのでなく、私たちの言葉も真言なのだと思い、日常で用いたいものです。真言であるので、決して悪口などを言ってはいけません。常に正しい言葉というものを心懸けたいものです。それが本物になれば、お大師さまのいう
「眞言は不思議なり 観誦すれば無明を除く
一字に千理を含み 即身に法如を證す」
ということになるでしょう。

(鳥海守快)

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