信仰―法話コーナー


法話

国境を越えて【2009年11月の法話】

私事ではありますが、去る十月五日韓国のソウル市内にあります大本山曹渓寺におきまして、韓の国三十三観音聖地創立一周年の記念法要に参加させていただくご縁をいただきました。日本側から中国・九州の観音霊場会を中心に僧侶・一般参拝者約七十名、韓国側から曹渓寺僧侶及び韓国仏教文化事業団関係者約六十名の多くの方が参列し、曹渓寺本堂内に於いて大法要が厳修されました。
まずはじめに行われた歓迎レセプションの、韓国仏教文化事業団団長様の挨拶の中に、「今後世界は、文化という大きな軸を中心に回っていくといっても過言ではありません。特に日増しに厳しくなりつつある現代社会にとって、仏教精神に基づく文化事業は、現代人にとって人生の道標として日々その需要が高まっております。このような中、日韓合同の三十三観音聖地巡礼事業は、今後世界の文化事業大きく寄与することと確信しており、アジアを越えて世界の文化事業として発展させていきたいと決意しております。」と、述べられました。
インドで仏の教えが生まれ二五〇〇年、仏教は中国そして韓国を経て日本へと伝わりました。そして日本は、常に隣国である韓国より伝わる文化に影響を受けながらも密接でお互いよい関係を続けてきたのです。二度の大きな戦争が、両国の関係に深く悲しい傷を残してしまい、今もなお領土問題・人権問題などが燻り続けています。それは日韓だけではなく、全世界至る所でテロや紛争といった負の連鎖が、日夜我々の尊い命を危険にさらし憎しみと悲しみを生み続けています。
観音経というお経の中に、観音様の無量の福徳を得ることができるのは、無量の善根功徳の種まきをして得られる結果である。無量の功徳を積み重ね、無量の福徳をお持ちになっている観音さまを至心に礼拝供養することによって、私達は観音様のお導きを得て、私達の求めて止まぬ幸せ、無上の悟りの世界、お浄土に至ることができると説いてあります。この度行われた記念法要を通じて私が感じましたことは、観音様のお働きであります一切衆生を救済せんという抜苦与楽の慈悲の御心におすがりし、三十三の霊場を巡ることは国境を越えた世界平和への足掛かりになる大いなる第一歩になるんだ、それが私達一人一人の明日への幸せに繋がっていくんだということを改めて実感させられました。
大聖院は皆様ご存知のとおり中国観音霊場十四番札所でございます。こんな時代だからこそ、観音様の泰然自若の境地を、霊場を巡るなかで感じ取っていただきたいと、切に願うしだいであります。
                                                              合掌

 

(酒井太観)




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