信仰―法話コーナー


法話

ある日の出来事【2008年9月の法話】

 私が弥山に勤務の時、夜七時半頃に、霊火堂の前で大声で話す声がします。何があったのかと、見に行きますと、外国人夫婦がベンチに座っていました。最初は、私自身英会話ができるわけでもありませんので、にっこり笑って近づいていきますと、「夜暗いので道を教えてほしい」、と「ライトを貸してほしい」とのことでした。部屋にライトを取りに行き、英語の弥山地図を渡して、やれやれこれでひと安心と思っていましたが、やがてノックをする音が・・・。「何かな?」と思い、ドアを開けますと、「私達ごめんなさい。」と日本語で話されましたが、最悪だったのは、ご夫婦はフィンランド人の方で、公用語はフィンランド語で、ご主人さんが、少し英語を話されるだけでした。ジェスチャー入りの単語会話が続き、ここで野宿するから何か毛布を貸して下さいと言われましたが、弥山にも宿泊できる場所はありますが、住職の許可が必要ですし、何より奥さんが途中から這って来たとジェスチャーしていました。泊まっても明日下山できるか心配でしたので、宮島消防署に、「弥山で外国人女性が足の疲労で歩けない状態ですが救急ではない」と相談しました。消防署員がしばらく検討させて下さい。と言われました。確かに夜も8時を廻っていますので、ロープウェーも止まっていますから、いずれにせよ歩いて来ないといけません。だめかな泊めようかなと思っていたら、消防署員から、ロープウェーを運転してもらい署員6名で救助に向かいます。と電話が来ました。やれやれこれでひと安心と思って消防署員の到着を待っていました。お腹がすいているだろうと、おにぎりを作ってあげたりしながら、京都に行く、富士山を見に行くとか英単語会話をしておりました。おもしろかったのが、奥さんが足が痛いので、ちょうど塗るタイプのサロンパスを持っていたので、貸してあげると、電灯の下で話していたので虫除けかと思ったのでしょう。うでに塗りだしまshたから、私が足に塗ってあげたら、「オーケーオーケー」と笑っていました。やがて、「夜九時半頃に消防署員が到着し、奥さんを担架に乗せて、五人で担いで下山されまして、外国人夫婦救出は終了しました。

私は今回の出来事で、宮島ロープウェーさんは、営業時間外なのに、職員さんが出勤してくれて運転していただいたり、救助に来てくれた宮島消防署の方々に翌日お礼の電話をしましながらで、ふと弘法大師の「四恩」の言葉を思い出しました。一、父母の恩。二、国の恩。三、社会の恩(先程の外国人の方はこちらになるでしょう)。四、三宝のがあります。「私達は自分一人では生きていけない。四恩に守られて生きている事を知りなさい」と大師は言われております。ちょうど九月九日〜十一日まで当山で萬燈会があり、弘法大師が高野山で灯明を照らして、四恩に感謝されたのが始まりです。この時期に救助劇などで四恩を忘れるなよとお大師さんが教えて下さったと私は思います。

 南無大師遍照金剛

(小野湛海)



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