信仰―法話コーナー


法話

1日1日を大切に【2008年12月の法話】

「じいちゃんは二九、一一二日や、裕ちゃんは四、二五四日やね」
「じいちゃんはスゴイね、毎日日記つけてるし、お母さんは」
「お母さんは一四、一一八日よ」と、御礼を見てご家族で話をされている光景がありました。

おじいさんが「御礼を見て、ふと自分の今までの人生を振り返った気がします。もし悪い事をしていてもこの御礼で救ってもらえますか」と質問されていました。

御礼は、生誕記念御礼という日本国内では初めてで、当山で唯一発行している御礼です。生誕とは誰でも、「おぎゃー」と言ってこの世に誕生した日が、誕生一日目になります。そこから一日の積み重ねで参拝した日が生誕何日目かを計算し御礼としてお授けいたしております。

私たちは、生まれてからは純粋無垢の状態で良いことも悪いことも理解できずに過ごします。やがて知恵がついてきて、言葉を話しだし悪いことをして叱られて、これは悪い事なんだと理解します。保育・幼稚園・小学・中学・高校と成長する中で良し悪しと理解して自分の行動に節度やモラルをもって大人の世界に入ってきます。

私が僧侶の修行をして資格を取り、当山で奉職する時に、住職より「当山での一日は作務・祈祷・受付など日々様々な内容の仕事があります。その中でなぜ僧侶になったか、どんな目標をもって僧侶になったのかの初心を絶対に忘れないでください。」とお言葉を頂きましてから早や五年の歳月が流れました。先の生誕で言えば一、八二五日です。

僧侶の世界でも色々な勉強をしなければいけません。修行の時は百日間の期間と目標を立てますが、奉職と僧侶の修行とその一日一日を自分がどう過ごして来たか?と問いかけた時、ただ何も成長できていないなとただ反省するのみです。やはり人間誰もが平等に持っている一日一日が大切だと思いました。

弘法大師は「般若心経秘鍵」という著書の中で、「仏法遥かに非ず、心中にてして即ち近し」と説いておられます。「仏法というのは遠い所にあるのではないのですよ、近くの私達の心の中にあるのですよ」と大師はおっしゃっております。人は誰でも、悔い改め反省しこのままではいけない、生まれ変わろう。がんばろうと思います。その心が大切なのです。

自分がしっかり目標をもって、さあこれからがんばってやるぞ〜、と思った瞬間から仏道修行で言えば「菩提心」や「発心」といい、皆様では「やる気」や「目標」が生まれてきます。毎日何かの目標を持って生活をしていくと、一日が大切に送れるとおもいます。

最初のおじいさんは「悪いことをしてしまった。」と悔いておられました。今世界が平和で、ここ宮島に来ても外国人観光客がたくさん来ておられますが、先の大戦で、やむおえず敵兵の命を奪ってしまったが、もし生きていたら私のように孫達と一緒に宮島を歩いておられたかもわかりませんねともおっしゃっていました。

人は誰でも仏心を持っています。日常の生活に追われてはいますが、その中の数分・数時間でも、ふと懺悔し三鬼大権現に対して報恩感謝のできる生活が過ごせれば一日が充実して来ます。お参りの祭には生誕記念御礼をお授かりいただき私達を共に一日一日を大切に暮らしていけたらと思います。

南無大師遍照金剛

(小野湛海)



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