信仰―法話コーナー


法話

三鬼大権現【2007年7月の法話】

ある日の事でした。「この前ご祈祷をしていただいた分で御礼参りに来ました。」と、お婆さんと、赤ちゃんを抱かれたご夫婦と両親の三世代で受付に来られました。前回、安産の祈祷を受けられて、無事出産された御礼参りでした。受付中にお婆さんが、皆に向かって「私が死んでからも三鬼さんにはお参りして下さいね。三鬼さんの真言を唱えるだけで、大日如来さんやすべての仏さんにも通じるから、三鬼さんの真言だけでも覚えておきんさいや。ねぇ、お坊さん。お坊さんも三鬼さんをしっかりお護りして下さいや。」とおっしゃり、何か身震いを覚えました。又、よく勉強されているなとふと思いました。

三鬼大権現は、弘法大師空海が当山鎮護、仏法擁護のために勧請せられました。

三鬼大権現の御誓願として三つあります。一つは、時媚鬼神が「知恵」の徳を司り、その御本地仏である「虚空蔵菩薩」は、当山弥山の本尊であります。知恵授けや、学業上達、受験合格に霊験をお持ちです。二つは、追帳鬼神が「福徳」の徳を司り、その御本地仏である「大日如来」は、真言宗で最も大切な仏様で、両界「金剛界」「胎臓界」があり分かり易く言えば、男女二つの身体、或は陰陽と考えられており、先程の安産など霊験をお持ちです。最後三つ目に、「摩羅鬼神」が摧破降伏の徳を司り、その御本地仏である「不動明王」は一切の魔障を降伏するという何ものにも打ち勝ちいかなる災難も切払うという力があり、諸難消除、交通安全などに霊験があります。また、太郎坊、次郎坊などの大小天狗を眷属に随えて、神通力をもって私達をお守りいただいております。

三鬼大権現の真言オン・アラタンノウ・ウン・ソワカを唱えることは、三鬼さんのみならず本地仏である大日如来、虚空蔵菩薩、不動明王にも、又、眷属、諸仏、諸神々にも帰依する事でもあります。

お婆さんは、様々な体験を長年の信仰によって乗り越えられ、三鬼さんの現世利益で信じる力を強められ、自分が救われたら次は家族、次は友人などと三鬼さんへの霊験を教えられた事でしょう。今、生まれて来られた赤ちゃんも、三鬼さにん守護されて生まれたご縁を持ち続けるでしょう。三鬼大権現さんは、外には憤怒の形相をして、内には大慈悲の心をもっておられます。この御加護に感謝して、自分だけでなく、世界中の人々が幸せにくらせる事を願わずにはいられません。

南無大師遍照金剛


(小野湛海)

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