信仰―法話コーナー


法話

観音さま【2007年6月の法話】

真言宗では如来、菩薩、明王、天部などいろいろな仏さがま登場します。中でも観音さまは最もポピュラーな仏さまのひとつで正式には観世音菩薩または観自在菩薩といい、そのお姿も様々です。

大聖院の観音堂にも十一面観世音菩薩さまがお祀りされています。元は厳島神社の本持仏であったそうです。その名のとおり、十一のお顔を持ち、その表情は私たちの感情を現しているのです。日々生活している中で私たちは様々な場面において、笑ったり、怒ったり、泣いたりします。その時々で観音さまはひょっこり現れ、諭してくださるのです。

観音さまやお地蔵さんのように○○菩薩と名の付く仏さまは実は悟りを開かれておりません。さとりを開くことはできるが敢えてこの世界に留まり、私たち衆生と同じ立場に身を置いてそっと手を差し伸べてくださるのです。

西国三十三観音霊場や中国三十三観音霊場など観音さまをお祀りしているお寺をお参りするとき、「南無大慈大悲観世音菩薩」と唱えたりします。観音さまは云わずと知れた慈悲の仏さまです。

慈悲とは何かというと私たちのいう「やさしさ」よりももっと深い愛と言えるでしょう。自分自身に問いかけてみてください。自分とは全く関係のない他人が苦しみ、悲しんでいるのを見て同じように悲しむことができますか?他人の喜びを自分の喜びすると心を持てますか?ニュースなどを観て、心を痛めたり、微笑ましく思うことはあっても、その人と同じ感情になれる方はなかなかいないと思います。

しかし、そうあろうと努力している人は「菩薩」といえるでしょう。仏さまのように自分の利益は後回しにして、他人に対して利益をすすんで与えることを「菩薩行」といいます。

観音さまのように不特定多数の方に利益を与えることができなくても先ずは、周りの人に対して相手の立場に立って考えることを意識するよう努めること、その功徳がやがては自分の身に返ってくるのです。

僧侶のようにお経を唱えたり、行法ができずとも身近なところで出来ることはたくさんあるはずです。実行していくことで自分自身の中にある観音さまの心を成長することができるのです。


(亀井山法秀)

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