信仰―法話コーナー


法話

好きな人の為に出来ること 【2006年4月の法話】

『人生楽ありゃ苦もあるさ…』
誰でも聞いたことがある。時代劇のテーマソングですね。
人生は母親のお腹の中で育っている時から生まれてそして命が終わるまでです。その中で我々は楽と苦を迎えます。一生涯楽で済む方は殆ど皆無でしょう。
苦にも色々あります。病気・生活・社会など様々あります。
私も色々な苦を抱えています。
『結婚しようね』と約束した女性がいました。その時はお互いに認めあってどんな苦難も乗り越えようといっていましたが、次第に距離が離れていき、最後には別れてしまいました。
でも彼女の事が忘れられずに、日々の生活に影響する程の苦を経験しました。
最初の頃は自分一人が傷つかなければいけないのか。どうしてこんな事になってしまったのか、楽になって死んでしまいたい。でも死んで楽になって、彼女も両親も友達も喜ぶだろうか?
色々考えていた時に、何時の間にか護摩堂の不動明王前で真言を唱えて涙している自分がいました。
そこで、自分一人が苦しいのではなく彼女も苦しいのだ。一生彼女を傷つけた責任を今は彼女の幸福を祈る事にしようと心に決めました。そして何時の間にか僧侶になっていました。
前記の事を弘法大師は『煩悩』と言われております。
人間には煩悩(自分もそして相手も傷つけ苦しめる破壊的な働き)があります。そして『これは良くない。人を苦しめていて自分が楽しむという事ではできない。悔い改めよう』という心が起こってきて、安らかな良い生き方をしようと移り変わります。でも煩悩があるから『解脱』を目指します。
煩悩の姿を正しく知り、その事が原因と助縁になってきます。
煩悩を嫌わず、切り捨てずに今まで煩悩としていた働きが一転すると今度は『菩提』の良い働きに変わってくるのです。
弘法大師は『煩悩則菩提』と教えておられます。
私達は、日々煩悩の苦しみの中で生きています。
一日一日を悔いることなく、精一杯生きていく為に『煩悩則菩提』の人生を皆さんと共に生きて行こうと想います。
南無大師遍照金剛
(小野 湛海)



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