信仰―法話コーナー


法話

運命と決意【2005年4月の法話】

「運命」この言葉を聞いて、皆様はどう感じられますか?
偉大な作曲家の曲としてもよく知られています。国語辞典を見ると、『人の意志によらず、辛いや不幸を与える力。またそれによってもたらされる現象・事柄』と書いています。人は生まれてから死ぬまで一生この言葉をよく使います。赤ちゃんや子供がどのような運命を?恋愛や結婚でも、運命的な出会いをした二人の運命はどうなるのか?そして、私の運命はここで変わった。死後もその人の運命は、ここで変わったなどと漢字二文字で恐いくらいに表されてしまいます。弘法大師空海も運命が大きかったと思われます。中国の唐へ遣唐使船で渡り、恵果和尚より、密教を授かりました。そして恵果和尚死後、早くしてこの密教を日本に伝えたいと考えていたその時に、日本からの遣唐使船が着いたのです。この時を逃すまいと、決められた期間二十年に対して、わずか二年二ヵ月でその船に乗り込んでしまいました。空海は、自分の運命は仏様が守ってくれると強い信仰心があり、その運命の船に人生をかけたのでした。もし決意がなかったら、空海の存在も、真言密教も、私達が日々祈願している、三鬼大権現も無かったかもしれません。
私達は、自分の家族や愛する人達、そして自分の運命が良くなる様にと想い願います。
それは、やがて、神仏に対しての願いに変わります。でも運命は決して目には見えません。全て結果です。神仏の霊験・加持力という不思議な力も見えないのです。でも必ず神仏に守ってもらえるという願いは誰しも自分の心の中でもっています。目に見えない物や自分の運命は考えただけでも不安になります。でも何もしなければ変わらない。例えば、好きな人がいて、この人は私が好きなのかと思い悩む片想いでも一年間悩んでも運命。告白して、失恋・成就しても運命と決意し、運命の船に飛び乗ってみてはどうでしょうか。
そうすれば新しい運命の道が開けます。空海が命をかけて日本に持ち帰った密教、そして空海が運命の船に乗ろうと決意させた信仰心が、今私達が日々信じている三鬼大権現であり、密教の世界ではないでしょうか。
南無大師遍照金剛

(小野 湛海)



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