信仰―法話コーナー


法話

絵馬【2004年7月の法話】

  大きなお寺や神社にいくと、大きな絵を描いた額が掲げられていたり、またそれらをかざっている絵馬堂があったりします。
 古いものばかりでなく、近頃はお正月や2月の受験シーズンになると、お寺や神社に合格祈願をする人がふえ、絵馬を奉納するところにもたくさんの新しい絵馬がさげられています。もちろん絵馬のなかには受験ばかりでなく、良縁成就、病気平癒、交通安全、無事安産等々、さまざまな庶民の願いごとがそこに見られます。
  「絵馬」は「馬形絵」ともいって、文字通り馬の絵をかいて、それを神さまや仏さまに奉納したものです。この絵馬のはじまりは、神さま、仏さまに宝物や刀などを奉納すると同じように、馬を奉納していたところからはじまします。
 昔の人は、自分の誠心を神仏に誓って誓紙(せいし)にしたため、それを忠実に守りました。神仏には絶対の帰依と畏敬をもっていたのです。
 神さまが乗馬姿で降臨(こうりん)されるというのが古来の日本人の支配的な考え方でしたので、神さまに馬を献上するすることは、神々の神威をたかめることになり、神々のいかりをしずめ、その神さまの神威にあずかろうということから、行われました。
 神さまに奉納する馬は「神馬(しんめ)」とよばれ、社で飼育されていて、祭礼のときなど、神さまが遷座(せんざ)されるときの神聖な乗り物として用いられました。
  しかし、生きた馬を献上することはなかなか大変なことなので、やがて木彫や土製の馬がその代わりになりました。厳島神社や大元神社には、木彫の馬が奉納されているのがいい例です。
  しかし、これもそう簡単にできるものではありませんので、しだいに紙や木板に馬を描いた紙絵馬、絵馬板をもってそれにかえるようになりました。さらに神馬だけでなくて、ついには、祈願するところのものを絵や文字で描いて、祈願札のようなものになってしまいました。また、そのほか、祈願成就のお札として、霊験を絵にした絵馬も奉納されるようになりました。
 大聖院では、添ゴマ木申込書にて、一願成就のダルマ絵馬、その年のえとの絵の描いた当年絵馬など、願いが叶うような絵馬がまた、万福堂、七福神においては、それぞれのご利益があるであろう七福神絵馬が、さらに、遍照窟には、十二支守本尊絵馬など、さまざまな絵馬があります。
 祈る心は受ける心に通じます。受ける心が素直でなければ、祈りは通じません。「困ったときの神だのみ。」でただ外見だけ手を合わせさえすればよいのでなく、日頃の信仰心が大切だというkとをくれぐれも忘れることのないようにしたいものです。

(本徳 寛俊)




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