信仰―法話コーナー


法話

■愚痴(ぐち)2003年1月の法話

 「あの人はグチッポイ人だ」という言葉をよく耳にする。また、グチを聞かされてうんざりさせられた経験は誰でもあると思われる。
 しかし、この話は佛教からきた言葉で、サンスクリット語を訳した言葉であって、迷妄とか愚かな心を意味し、佛教では真理に対する無知、心が暗くて一切の道理に通じる智慧に欠けたありさまであるとされ、煩悩の中でも最も根強いものの一つに数えられている。これが我々の苦を招く原因である。けれど誰もがわかっていながらつい出てしまうのが我々凡人の姿である。
 ここで真理というのは世間でどこにでも存在する一つの道理というものがある。例えば人は自分一人の力で生きていると思いがちであるが、この世で一人では生きていけない。今日あるのも両親・家族をはじめ、多くの社会の人々、さらには宇宙大自然の力によって生かされているのが本当の姿であると思われる。そのことを忘れてしまうからつい愚痴が出てしまうのである。健康な時には「忙しい、しんどい」などといった愚痴がこぼれていたが、病気を患って、病室でじっとさせられることにいや気を感じることになる。その時になって、はじめて健康な時のありがたさを知るのが我々凡人の姿である。そのようになる前に、予防注射のごとく、愚痴をひかえて、感謝の心を内に持ち続けて、生活するように心がけなければならない。「自浄其意(じじょうごい)」自らの心を浄らかにするという七仏通誡(しちぶつつうかい)の偈(げ)の教えのように精進努力していくことが仏教の教えであり、愚痴をなくすことがその第一歩である。


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