信仰―法話コーナー


法話

■前向きで大らかな心2002年4月の法話

 
暖かい日差しになり、春の訪れを感じます。寒さに耐え命を育んできた自然の木や草や花たちが一斉に目覚め活動する季節になり私達の心も浮き浮きしてきます。毎年の事ながら周囲の状況に振り回されず自然のサイクルのままに素直に大らかに黙々と精一杯生きている植物に一種の感動を覚えるのは私だけでしょうか。
 それに対して私達人間は常に周囲に影響され心が動揺し調和が乱され。素直さを失い不自然な生き方をしてしまいがちです。成功したといっては有頂天になり、失敗しては意気消沈し、謗
(そし)られて腹を立て、誉められたといっては調子に乗りがちなのが私達の心です。とにかく忙しく、騒がしい周囲に振りまわされ、本来の自然な心のあり方から遠ざかり身体の不調を訴える人も少なくありません。せっかく良い季節になったのですから、心を落ち着かせて、のんびり生きようではありませんか。
 昔、天海という偉いお坊さんがいて、百八までも生きられたということですが、その秘訣をあの徳川家康が訪ねた時、「少食粗食、日湯
(にっとう)、陀羅尼(だらに)、時々御下風(ごかふう)遊ばさるべく候。」つまり粗末な物を少しだけ食べ、毎日風呂に入り、真言を大きな声でなるべく多く唱え、腹に溜まった瓦斯(ガス)を出しなさい。精神的な瓦斯を頭に溜めておくのはいけない。自分の欠点を人前に晒す(さらす)位の神経の太さで生きなさいという事。大らかで自然な心でいれば命も長くなり人様のお役に立てます。
 最近では心と体の関係が大変注目されています。心で考えることは体にさようし、常に心の持ち方をプラスにして、前向きに「ああ幸せだな」、「うれしいな」、「まだ恵まれているな」という風に考えていると良いホルモンが出て体によい影響を与え、「嫌だ」、「苦しい」、「恨んでやる」などと思えば不快、失意、落胆へと自分自信をマイナス方向へと誘導してしまうと言う事も言われています。弘法大師も「心暗きときは、即ち遭う
(あう)所悉く(ことごとく)(か)なり。眼明かなるときは、即ち途(みち)に触れて皆宝(みなたから)なり。」ともおっしゃっています。
 季節は春。心ものどかに、のんびりと、過去の事をあれこれ悩んだりせず、未来の事も頭の中で色々と想像したりせず、今この季節に精一杯生きている自然の草花たちの中に身を置き、深呼吸しながら歩いてみてはどうでしょうか。心と体を自然のサイクルにもどす時を少しでも持ちましょう


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