信仰―法話コーナー


法話

■一念発起 2001年7月の法話

 
日頃「なんとかしたい、やりたい」あるいは反対に「あることをやめたい」、例えば「お酒を絶ちたい」等々思っていることはどなたでも一つや二つ持っておられるでしょう。しかし、なかなか実行できないものであります。それが何かの縁をえて、「成し遂げよう」とか、その反対に、「絶対やめよう」と決心するとき“一念発起する”と言う言葉が使われています。例えば、お医者さんからお酒やタバコをやめなさいと言われたとき“一念発起”して・・・と使ったりします。

 一念発起の一念は、辞書によると第一に、ひたすらに思いこむこと第二に、ある一つの考え第三に、きわめて短い時間第四に、一たび仏を念ずること第五に、仏の救いを信ずることができたその時間第六に、仏の智慧のことなど多義でありますがここでは第一の意であります。発起は、発起菩堤心の略であり、本来の意味は今までの心を翻して、ひたすらに(一念)悟りを開こうとするこころ(菩提心)を起こす(発起)ことであります。そこには、心を起こすことだけでなく、悟りに向ってすすんでいくのだという堅い決意があるのです。御真言でオンボウジシッタボダハダヤミと唱えるのがそれにあたります。

 隆寛作と伝える法然上人の伝記の中にも「一念発起菩提心、勝於造立百干塔」とある。「一念発起菩提心」することは百干の塔を造立するよりも勝れた功徳あるということです。

 このようにみてくると、「発起」よりも「一念」に意味が込められていることがお解りでしょう。又、一念の同義語として「一向」という言葉があります。“智者のふるまひをせずしてただ一向に念仏すべし”の「一向」である。ここでもひたすらな心が求められております。

 「一念」といい、「一向」といい、一筋なこころ、一途なこころを持って物事に対処することが、いかに大切かを読み取っていただきたいと思います。

 そして、これらの事をふまえた上で、何か一つ実行してみてはいかがでしようか。到達の地が近づくのではないでしょうか。


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