信仰―法話コーナー


法話


■子供を選ぶか、会社を選ぶか 1999.11.10

わたしたちはすぐに、なんで私がこんなことをせねばならないのか!?と考えてしまいます。部下が休んだので、部下のやるべき仕事を上司のあなたがやらねばならなくなった。「あいつが休むから、こういうことになるんだ」と、私たちは文句を言います。
不平たらたら仕事をします。そんな態度だと、かえって不快感が増大し持続します。理由・原因はともあれ、あなたがその仕事をやらねばならなくなったのです。ならば、それは、あなたの仕事です。あなたは自分の仕事をしているのです。禅ではそう教えています。
左遷されたときだって、左遷された場所で、仕事をやらねばならないのです。病気になったとき、その病気と付き合う仕事はあなたの仕事なんです。われわれは自分の仕事をしっかりとすればいい。禅ではそのように教えてくれています。
人生は思うがままになりません。いろんなことが、こちらの段取りとは無関係に、むしろこちらの思惑を裏切る形で起きています。そうすると、わたしたちはついついおざなりな対応をしてしまいます。

それがよくない。
わたしたちは、それに対応せねばならないときは、しっかりとそれに対応すべきです。
会社が忙しいときにかぎって、家庭にトラブルが生じます。息子が登校拒否をした。そうすると父親は「俺は忙しいんだ、息子のことはおまえの責任だ、お前が対応しろ」と、妻に全部を押し付けてしまいます。馬鹿げたやり方であり、考え方です。
そのとき、あなたは会社の奴隷になっています。それで、妻や子どもがあなたを信じられなくなって、自殺でもすればどうなりますか。妻や子どもの命よりも、会社のほうが大事ですか。日本人はこれまで、家族よりも会社を大事にしてきました。それで日本は経済発展ができたのですが、犠牲にしたものは大きかったのです。日本の家庭は完全に崩壊してしまいました。
ともあれ、たとえば子どもが登校拒否をしたようなとき、あなたはその問題にしっかりと直面すべきです。

わたしは、子どもが問題を起こすのは、多くの場合、両親に向かって問いかけを発しているのだと思います。お父さん、お母さんの生き方は、ぼくから見ておかしい。そんな生き方――会社の奴隷であったり、欲望の奴隷であったり、世間の奴隷であるような生き方――をしないでほしい。そう告発しているのです。それなのに、それを無視して、あなたが生き方を変えないならば、きっと子どもはあなたから離れていくだろうと思います。
だが、わたしのこのような発言に対して、世間はおまえの言うほど甘くないんだ。おまえの言うようにすれば、きっと会社を首になってしまう。そう反論される人がいるでしょう。
それはその通りかもしれません。でも、子どもが死ぬほど悩んでいるのに、その子どもの相談相手にもなってやれないほど、あなたを拘束する会社であれば、首になったほうがいいでしょう。
もちろん、あなたが会社を選んで子どもを自殺にまで追い込んで平気であれば、そうしたっていいのです。でもそのときは、あとで後悔しないよう私たちは今一度よく考えるべきではないでしょうか。





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